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新たなケアの文化とスピリチュアリティ
第3回 老いと死を支えるケアの文化 地域社会とスピリチュアリティ

OUTLINE

宗教学者・島薗進氏のオンライン私塾は、今年3月から「新たなケアの文化とスピリチュアリティ」をテーマに第2シリーズをスタートしました。

第1回は「グリーフケアの集いはどのように育まれてきたか?」、第2回は「老いと高齢者ケアにおけるスピリチュアリティ」と題して学んできました。そして、第3回は、第2回にご登場いただいた精神科医の岡村毅氏(東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム)を再度お迎えし、「老いを支える新たなケアの文化 地域社会とスピリチュアリティ」をテーマに話し合います。

メインスピーカーの島薗氏のコメントです。

高齢者が穏やかに老いを受け入れ、死に備えながら意義深い時を過ごしつつ生きていくとはどういうことか。そのような老いと死に向けたケアをどのように進めていけばよいのか、についてともに考えていきたい。

認知症の人々や精神障害に苦しむ高齢者の精神科医療に取り組んで来られた岡村毅先生は、高齢者ケアにおいて宗教やスピリチュアリティが重要な役割を果たすと考え、その視点を取り入れた研究を進めて来られた。大きなスピリチュアルな側面に深い関心を寄せてこられた岡村毅先生。先生は精神医学を学びながら、わがこととして宗教にも関わっておられるという点で、私自身にも覚えがある領域を歩いてこられた方である。

精神障害に関わるケアにおけるスピリチュアリティの重要性はますます認識が進んでおり、さまざまな試みがなされている。訪問看護ステーションと寺院が連携したり、寺院で介護者カフェが行われたりし、あるいは自死を考えてしまう人へのケアなどの試みが増えてきており、医療者もその意義を認めるようになってきている。

こうした試みは、認知症や精神障害、また老いや死を前にした苦悩に対するケアの考え方の変化ともつながっている。施設の中でよりも、地域社会でのケアを重視することは新たなケアの文化の展開と切り離せない。今回は、精神科医療の新たな方向性と新たなケアの文化の関係が焦点となる。

また、ゲストの岡村毅氏からは以下のコメントを頂戴しました。

5月12日の回では、医学の専門家の立場から、認知症は予防もさることながら共生が最も重要で、治すのではなく地域の中でより良い生活をおくれるように支援する方向に変わりつつあることを話しました。私たちの認知症共生社会つくりの研究実践の場で臨床宗教師養成課程にある僧侶が大活躍したことも報告しました。

これらを受けて今回は、寺院での介護者カフェ、特養スタッフの死生観の分析、特養スタッフの医療への思い、ベトナムの興味深い事例の紹介などを紹介します。最後に無縁の人々が集う団地で、人を信じることができなかった末期がんの人を、皆で看取り、そして悼んだというエピソードを紹介します(日本老年医学会雑誌にてすでに論文化した事例です)。新たな地域のケアは確実に芽吹いています。

SCHEDULE

新たなケアの文化とスピリチュアリティ 第3回 老いと死を支えるケアの文化 地域社会とスピリチュアリティ

2022/06/16(木) 19:00~

お申込みいただいた方が当日お時間に都合がつかなくなった場合には、動画アーカイブでオンデマンド視聴が可能です。(動画配信開始後1週間ご提供いたします)。

プログラム

19:00 島薗氏によるトーク
19:40 岡村氏によるトーク
20:30 休憩
20:40 ダイアログ/質疑応答
※プログラムの内容・順番・時間などは予告なく変更となる可能性がありますのでご了承ください。

料金

1,500円(税込)

会場

Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。 お申込みいただいた方には、前日までに参加URLをメールにてお送りします。

お申し込み
Peatixお申し込みはこちら

チケットの購入期限は当日6月16日の18:00までとさせていただきます。

主催

local knowledge 編集部(スタイル株式会社)

GUEST PROFILE

岡村 毅(おかむら・つよし)
岡村 毅

1977年米国生まれ、2002年東京大学医学部を卒業し医師免許取得。東京大学大学院にて医学博士取得。精神神経学会専門医・指導医、老年精神医学会専門医・指導医、精神保健指定医の資格を持つ。東京大学医学部助教を経て、現在は東京都健康長寿医療センター研究所研究副部長として高齢者のメンタルヘルスの研究に従事する。上智大学グリーフケア研究所非常勤講師、東京大学非常勤講師、大正大学地域構想研究所非常勤所員を兼務する。またNPO法人ふるさとの会の顧問として、ホームレス支援に従事する。

島薗 進(しまぞの・すすむ)
島薗 進 (しまぞの・すすむ)

1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所所長を経て、大正大学教授。おもな研究領域は、近代日本宗教史、宗教理論、死生学。
『宗教学の名著30』(筑摩書房)、『宗教ってなんだろう?』(平凡社)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日選書)、『日本仏教の社会倫理』(岩波書店)など著書多数。

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