アンデルセンや宮沢賢治の物語をはじめ、文学や芸術における「救い」というテーマは、昔も今も人の心を打ちます。この「救い」の教えは、キリスト教、仏教、イスラームなど世界中の宗教において教義の中心となってきました。ではなぜ宗教では「救い」が重要とされ、普遍的な教えとなってきたのでしょう。宗教の起源から現在にまで通じるこの問いに、救済宗教と文明の歴史をたどることで理解と考えを深め、宗教という営みそのものの核心に「救い」という視点から迫るのが今回刊行された『宗教のきほん なぜ「救い」を求めるのか』(NHK出版)です。宗教への信頼が揺らいでいる私たち日本人にとっての必読の書籍だと思います。
同書は、第1章 信仰を求めない「救い」:文芸が表現する救済宗教的なもの/第2章 「救い」に導かれた人類社会:歴史のなかの救済宗教/第3章 なぜ「救い」なのか:文明史に救済宗教を位置づける/第4章「救い」のゆくえ:「救済宗教以後」を問う、として構成されていますが、トークイベントではそれぞれの章に沿って、島薗進さんからより深い解説や書籍には書けなかったエピソードなどを語っていただきます。「救い」を手がかりに、「宗教とは何か」を島薗進氏と一緒に考える一夜にしたいと思います(竹田)
1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所所長を経て、大正大学教授。おもな研究領域は、近代日本宗教史、宗教理論、死生学。 『宗教学の名著30』(筑摩書房)、『宗教ってなんだろう?』(平凡社)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日選書)、『日本仏教の社会倫理』(岩波書店)など著書多数。
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